タンス預金が300万円
長生きしていると、
思いがけない、いいことがある。
まさか、と思う。
まるで、1億円の宝くじに当選した気分。
若い頃からの私の夢。
この世から、お金がなくなること。
21世紀中の実現は諦めていた。
でも、22世紀にはありえるのではないか。かすかに。
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しかし、ここにきて、
俄然、現実性をおびている。
もちろん、数年先ではない。
たぶん、20年や30年はかかるだろう。
しかし、確実にその方向へ向かうことが予想される。
その驚きを書きたいと思う。
現在、先進国の実質長期金利は、ほぼゼロとなっている。
実質とは物価上昇分を引いたもの。
日本は、20年以上もゼロ金利が続いている。
ゼロ金利とは、インフレ期待がゼロのこと。
庶民の感覚では、むしろデフレ状態だが。
給与は下がる、モノの値段も下がる傾向。
モノよりもお金の方がありがたい。
ゼロ金利の問題の一つに、
不景気に陥ったときに、金融政策がとれない。
今の政府は、ひたすら財政政策。
赤字国債を盛んに発行、
お金を市場に放出しているが、
景気回復はほど遠い。
インフレターゲットも、信じる人はいない。
お金は使われずに、タンス預金。
日銀の当座預金だけで、約400兆円になる。
今、日本で流通している日銀券は約100兆円。
1万円札がほとんど。
国民一人当たりで計算すると、現金を約80万円。
4人家族なら、300万円以上の現金を家でタンス預金している勘定。
その他、紙幣以外の硬貨が約5兆円。
本当にこんなに沢山のお金を
各人が持っているのだろうか。
貯金ゼロという世帯が約半数というのに、
信じがたいことだ。
つづく