140年で進歩したこと

1880年代のフランス。

自転車のカタログに載っている最も安い品は、

労働者の平均賃金の6ケ月分に相当。

しかし、この自転車は1年も使用できるものではない。

 

今の日本、自転車の安いものは、労働者の給与の1日分でしかない。

さらに、その自転車は、1年以上使用できる。

 

140年で、200倍以上の進歩がある。

 

例えば、理容店。

昔も今も、普通の店で、約1時間かかる。

値段も、物価上昇とだいたい同じ。

140年で、利便性は数倍程度良くなっている程度か。

 

労働者の通勤で見ると、

昔は仕事場まで、30分程度で行けるのは普通。

今、電車や車で移動時間は長い。

不便さは数倍以上。

 

昔の買物は全て近辺で可能。

今、遠方まで行かないと、できない。

 

モノは確かに増えている。

捨てるゴミが増えて処分場に困るくらい。

プラスティックは、海洋全てを汚染。

 

昔は、服や履物をいっぱい持っている人は貴族くらい、

今、タンスや収納用に一部屋ある人も多い。

 

移動手段や情報通信の進歩は、著しい。

スマホがあれば、図書館が不要になった。

しかし、情報の有効活用は、できない人が多い。

ただ、あふれているだけ。

 

昔の世界に比べ、

多文化共生、価値の多様性尊重、人権や民主主義という

20世紀に生まれた価値観は、少しは定着しているが、

大きなうねりとなるまでに至らない。

 

戦争や軍や搾取や暴力は、今も世界で幅を利かせている。

お金への信仰も、信者の数は高止まり。

140年で変化なし。

 

今の世界、上位1%に富のほとんどが集中。

各国の政府も、上位1%の意向で動くことが普通。

これも、140年で変化なし。